祖父は防衛隊に徴用され、糸満の激戦地域で米兵に殺された。幼い叔母は栄養失調で亡くなったと聞く。祖母は幼い子供たちを抱え、戦争の中、そして戦後を必死で生き抜いてきて20年前に亡くなった。父は鉄血勤皇隊でからくも生き残り、母は看護隊の瑞泉隊への徴用をまぬがれて生き残った。そして、私たちがいる。戦争を生き抜いた人々は、私たちに戦争の真実を語ってくれた。愛国美談や英雄的戦いではない、悲惨な現実を。
「沖縄戦で軍の命令による集団自決はなかった」という政府文部省や右翼の主張は、沖縄戦で生き残った住民やその子や孫、戦後の沖縄を否定しようとするものとも感じるのは私だけではない。