おきなわいち


上地哲の沖縄事典 (おきなわ自転?)
by UECHI
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

<   2011年 11月 ( 2 )   > この月の画像一覧


くるくまの森の住人

f0014164_12563563.jpg 雨の降る日にコンテナ倉庫の上で「スーシ」(イソヒヨドリ)を見つけた。近づいても逃げない。どうやらこの倉庫の周りに巣でも作ったのであろう。さらに近づくと地面に降りて私をにらみ、倉庫を守っているかのようだ。これは、巣の中に雛でもいるのかもしれないと思った。それとも単に人なつっこいだけなのか。そういえば、くるくまの森周辺でいつも見かけるスーシがいるが、この鳥かもしれない。この地の先住人(?)なのか。(この鳥は何年生きるかわからないが)
 朝日を2050日近く取り続けている仲善の仲本社長の写真の中にも度々登場してくるスーシがいるが、きっとこの鳥なのであろう。この地に住む先住の者として、我々人間の所作所業を視ているのかもしれない。古来より聖地と云われているこの地を見守る神々の使いとして。f0014164_13182714.jpg
 朝、仲本社長がカメラを構えると、1羽だけのスーシが周りに現れる。岩の上や木々の上から朝日に向かってシャッターを切る仲本社長を、観察するように見ているのだ。時折社長のカメラに納められるが、いつも威風堂々、ポーズを決めている。(下の画像2枚は仲本社長の日の出ブログ「出逢いは宝」東の空2012よりhttp://katsuobushi.ti-da.net/)
 いつもながら時間に追われ、仕事に追われ、借金に追われ、子供や家族や身の回りのことに追われ続けているかのような感じに思えている自分は、はたしてほんとうの姿なのか。追っかけられていると思い込んでいるだけではないのか。周りの事象のとらえ方、ものの見方を間違っていたのかもしれない。この鳥の目線はどこに?と思わせたスーシだった。
 1羽の鳥が、自分より大きな人間も恐れず、凛としてそこに“存在”していることの確かさは動かしがたい事実である。f0014164_13552332.jpg
[PR]

by s.t.uechi | 2011-11-20 13:57 | okinawa1

沖縄的な、あまりにも沖縄的な”食堂”

f0014164_14523311.jpg
 先日、お昼を食べそこねて、残りの昼休み時間15分という時に、職場から5分もしない集落の中に「食堂」を発見!最初は見過ごして通過した車をUターンさせて近づくと、駐車場がない。食堂横にすべりこませると、目の前にはヒンプン(門の奥の衝立のようなもの?)を置いた古民家があった。どうやら食堂の主の住家と思われる。かまわずに駐車し食堂に入った。外には「いろは食堂」の小さな看板以外何の表示もない。引き戸の内側に「商い中」の小さな札がぶら下がっていた。
 中には作業着を着た男の客が一人、畳敷きの座敷に座って、まさに料理を食べ終わろうとしている。どうやら「みそ汁」を食べたようだ。この料理も沖縄独特のもので、野菜やジャガイモ、肉またはポークランチョンミートに大きな豆腐に半熟卵が大きなどんぶりに溢れんばかりに入ったシロモノ。これにライスがつくから定食として十二分のボリュームがある。10月に来沖した東中野の「うみないび」のママが、メニュー表の「みそ汁」という表記と現物とのギャップに目を丸くしていた。
 それはさておき、私は何を食べようか、考えながら店内を見渡すが、一切のメニューがない!壁にも、テーブルの上にも厨房にも、どこにも料理名がない。
 厨房の中には、これまた一切笑顔のない、無愛想なオバーが一人、不思議な貫禄の湛えながら黙って食器を洗っている。注文を聞こうともしない。こちらは何をどう注文して良いかわからず、思わず「あのー、ソバはできますか?」と聞いてしまった。
 「ソバ?」と聞き返された気がしたので、「ハイ」と答えると、オバーは黙って背中を見せて作業にとりかかった。
 こうなると私の頭の中は「いったいどんなソバが出てくるの?」という、不安と期待とがグルグル回りっぱなしになった。「味は?」「量は?」「トッピングは?」「ひょっとしてどんぶりに親指が入ったまま出されたら・・・」と、変なことばかり想像しているうちに、一人がけのカウンター席(ただの机に雑誌が並べられた子供の勉強机のようなもの)の前に座っていた私の前にソバは普通に運ばれてきた。
 普通のソバどんぶりに、ややちぢれ麺とカツオ出汁が色づいた透明に近いスープ、棒天蒲鉾スライス、三枚肉、マシシ(脂身のない肉)が2枚づつの計6枚、交互に円く並べられている。その上に島ネギがちりばめられ、紅ショウガが真ん中に乗せてあった。出汁はカツオをベースに豚肉の出汁も加わったサッパリすぎることもなくしっかりした味わいをだしている。想像に反しておいしいソバであった。
 私が食べあわる頃に、また作業服を着た中年の男の人が入ってきた。慣れた様子で「そーきソバ」と注文したら、オバーはまた「そーき?」と言って、そのまま作業に入った。
 私は「ごちそうさま」と声をかけたが何の返答もない。続けて「いくらですか?」と聞いたら、やっと「400円」と答えてくれた。支払いを済ませ、店の外に出るまで「ありがとうございました」はない。しかし少しも嫌な感じはなく、「うまかった」という思いだけが心に残っていた。
 オバーも客も店全体が昔から変わらない日常の風景のように、淡々と時が流れているかのようであった。わずか15分の私のお昼時間は、ゆったりとした時間の中にあった。
[PR]

by s.t.uechi | 2011-11-16 20:48 | 沖縄事典