おきなわいち


上地哲の沖縄事典 (おきなわ自転?)
by UECHI
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琉球新報紙面批評(連載原稿)

拡がる地域格差(仮題)2006年6月9日出稿分

 新聞の二二~二五頁くらいになるのか。「市町村」や「通信員のページ」の記事を私は楽しみにしている。地域おこしのお手伝いで訪れた県内各地域の近況や、島人の様子を知ることが出来るからだ。沖縄の政治的な位置から、一応地方紙と言われる琉球新報でも中央の政治や日米の外交・防衛が紙面の中心にならざるを得ない中で、ここはローカリズムが強く感じられるページである。
 六月四日「南大東 島離れる子、親と交流」の記事は南大東島の親子のほのぼのとした交流を伝えている。懐かしさを憶えながらも、この那覇から東へ渡海四〇〇㌔の洋上の孤島へどれだけの読者が思いを馳せることができるだろう、との思いがよぎった。
高校進学のために島を離れ親と離れて生活しなければならない。生活費は二重の負担となる。県内では高所得地域に位置する南大東村とは言え島民の負担は大きい。他の離島も同じような問題を抱える。所得に余裕が無ければ進学できない。
「改革の現場は、追跡・小泉政治5」(一五日付)では、大学に行かせたくても出来ない東京足立区の家庭と、愛知県に財界が出資して設立した六年間の学費千八百万円の中高一貫のエリート養成学校が対比して紹介されて、教育機会の不均衡の現実を紹介している。 五月三〇日付社説では「教育に所得格差の壁」と題して、教育における所得格差が生じているアンケート結果を解説しているが、むしろ格差を「生じさせない施策が今、求められている。」という施策の具体的中身にスペースを割いても良かったのでは、と感じた。
 さて、この一ヶ月間の紙面は、当然ながら多くを米軍再編問題に割いている。ねじれた防衛庁、県、地元市町村の言い分が日々紹介されるが、二兆円とも三兆円ともいう再編の予算が、行間につかみどころ無く蠢いている。一方で、二五日付「底つく基金市町村悲鳴」の一面記事と「限界迎える離島財政」(同日解説)では、島が「生きるか死ぬか、いよいよ正念場」を迎えているとある。
以前にも書いたが、本来国土の均等な発展のための振興策(全国総合開発)を沖縄は日米両政府の都合で全国に二七年遅れて適用されスタートした。知事が言うように基地とは別問題のはずである。既存の北部振興策打ち切りと再編問題とリンクした出来高払いの「新振興策」は、県内の地域間格差をますます拡大するとしか思えない。
五月一九日付の読谷村の基地一部返還決定の記事に、沖縄側の対政府交渉の大きなヒントがあると思う。具体的な跡地利用計画による地域振興計画を提示して返還交渉を進め、国有地と村有地の交換で得た成果は大きい。
財政不安と基地受入は等価交換にはならない。地域格差ではなく県土の均等な発展を図ることは県や国の義務である、という視点で、再編問題と振興策を問う紙面があっても良いのではと思う。
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by s.t.uechi | 2006-06-09 18:49 | 地域