おきなわいち


上地哲の沖縄事典 (おきなわ自転?)
by UECHI
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琉球新報紙面批評(連載原稿)

「地域ブランド」(仮題)2006年5月12日出稿分
 県酒造組合連合会が泡盛の海外展開を企図したシンガポール見本市への参加と、地域ブランドとして「琉球泡盛」と「琉球もろみ酢」を商標出願した記事が四月十八日付経済面に紹介された。「海外市場の販路拡大へ」「ブランド便乗に歯止め」という見出しはやや違和感を与えるものだった。
 というのも、泡盛ももろみ酢も本格的に県外展開されてすでに数年が経過し、他地域ブランドがもう販売されている。また右肩上がりで伸びてきた売上も昨年はだいぶ落ちた。二九日付「けいざい風水」でも泡盛出荷量減少を伝えている。
この状況に「歯止め」をということなのだろうが、ブランド化は本来売りだして行くときに行うべき取組みである。十八日の同じ紙面で「ブランド化は魔法のつえか」「商品に重い責任」としてブランド化のリスク存在を指摘したコラムがある。
そもそもブランドとは競合商品と差別化をはかるため、サービスと高品質の維持を大前提に、売り手と買い手の双方が付加価値を共有することである。数百の銘柄を「琉球泡盛」や「琉球もろみ酢」で一括りにする事のリスクも業界は負わなければならない。
二八日経済面で紹介された「酸汁で泡盛に豊かな香り」の見出しの難しい昔の製法を東京農大と共同研究で復活させた熱田和史さん(忠孝酒造)の取組みは格好のブランド化のモデルになり得る。
また与那国での「長命草で島おこし」(十八日夕刊)の杉本さん兄弟のお茶と青汁の商品化は、地域の素材を地域で加工製造し販売していくという典型的な地域ブランドづくりである。五月二日の金口木舌で紹介された沖縄エコサイエンスのハンノキエキスの研究も同様だ。
もっとも注目したいのは、「ウチナーの香り世界へ」(六日経済面)の「UTAKI(ウタキ)」である。数多くの沖縄ブランドを生み出してきたオキネシアの金城幸隆社長が開発したカーブチーの香水が、世界の市場でどう評価されるのか期待をもって注視していきたい。
五月三日付の、都道府県過去一〇年「経済成長力沖縄1位」の見出しに驚いた読者も多かったのではないだろうか。コンサル会社と法政大の共同研究発表だが、坂本光司教授は「沖縄経済は本土に左右され」ない「自ら起業するなどの内発型要因が特徴。自治体の政策が実を結び、県内企業や労働者が努力した結果だ」と分析した。 
一見元気の出そうな記事だが、これらを支えている要因の多くに財政依存があり、基地とリンクした振興策がある。また起業も多いが倒産も多い。自治体の政策もシンクタンク依存では。所得最下位は労働者の努力ではどうしようもない現実。ほんとうに内発型要因の成長力があるのか。
一億五千万円や六十億円の補償金とか振興策は地域の格差を拡大こそすれ解決はしない。八日夕刊と九日社説で指摘された格差社会の到来の中で、地域ブランドの持つ意味を紙面でも検証して欲しい。
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by s.t.uechi | 2006-05-12 18:52 | 地域