おきなわいち


上地哲の沖縄事典 (おきなわ自転?)
by UECHI
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スクガラスの話 (2003年7月31日出稿)

 7月2日(旧暦の6月3日)、沖縄本島南部の玉城村の奥武島(おうじま)でスクの水揚げに遭遇した。港には大勢の人出で、年に一度か二度しか経験できない事にみんなのワクワクする気持ちが伝わってくる。テレビ局の取材まで入っている。港に帰ってきた漁船から大きな樽に入ったスクが次々と水揚げされる。キラキラと銀色に輝く小魚たちは活きがよく、まだピチピチ飛び跳ねるモノもいる。島のおばさんたちがその場で1kgづつビニール袋に詰めていく。それらを発泡スチロールの箱の上に並べた横で、売り子になったオバーがスクに酢醤油をかけて試食用のスクの刺身を作っていた。
「にぃさん、食べてごらん」とオバー。
「ん~、うまい!」活き活きした取れたてのスクは刺身に限る。年に一度しか味わえない味だ。もちろん冷凍することで後で食べることもできるが、このうまさはこの時だけのものだ。
「いくら?」と、オバァに聞いた。
「千円」と、浅黒い顔をほころばせながら答える。
「安い!」時と場所によっては三千円することもある。一袋もらうと、
「にぃさん、これ食べるねぇ?」と試食用に用意してあった1キロほどの別のビニール袋を差し出された。遠慮なくもらうと、うれしくなった私はあと4kg追加で購入した。
商売がうまいのか、素朴なのか、どちらかわからないが、楽しい買い物であったことは確かだ。
 会社や近所に分けて残った2kg分を、1kgは自然海塩で塩漬けのスクガラスにして、500gは「たまぐすく村のさとうきび酢」で酢漬けにした。そしてもちろん、残り500gをさとうきび酢の酢醤油で刺身にして夕ごはんのメインディッシュにした。このおいしさは年に一度の自然の恵みならではであろう。
本来スクガラスは3ヶ月で浅漬け、完熟には数ヶ月から1年はかかるといわれている。が、くいしんぼうの私は、3週間もすると待ちきれずにスクガラスを取り出し、軽く水洗いして醤油をかけて食べてみた。新鮮さは生きていた。次に島豆腐に乗せていっしょに食べる。これも、うまい。いくらでも食べられそうだ。庭の島唐辛子(コーレーグス)をきざんでいっしょに食す。冷たいビールも、うまい。泡盛も、うまい。暑い夏の日が続いているが、このスクガラスのおかげで、自宅で至福の晩酌を楽しんでいる今日この頃である。
ところで、スクとはアイゴという魚の稚魚で、大きさは3~4cm、生まれてすぐに群れを成して海岸線に藻を食べに押し寄せてくると言われている。3日目に藻を食べるので2日目には獲らないといけない。藻を食べた後では臭みが出るとの事だ。
旧暦の6月1日前後、海岸の高い岩場から、強い日差しが照りつける海面を見ながら、スクの群れをじっと待ち続ける漁師の姿が、この時期沖縄の海ではよく見ることができる。不思議なもので、決まって6月1日、7月1日、8月1日(いずれも旧暦)を3日とあけずにやってくる。とれたてのスクをすぐに塩漬けにして1年分の塩辛を確保するのだ。また、よく漬け込んだスクガラスの漬け汁は魚醤としていろいろな料理にも活用できる。豆腐にこれだけをかけて食べてもじゅうぶんおいしい。
ちなみに親魚のアイゴは25~30cmになり、沖縄では「ィエーグヮー」(発音がむつかしい)と呼ばれ、塩煮(マースニィー)が一番おいしい魚である。

すくがらす120g 500円 わしたショップ
スクガラス400g 1500円 やいま
さとうきび酢500ml 2000円 たまぐすく
自然海塩 いろいろあります
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by s.t.uechi | 2003-07-31 13:30 | 沖縄事典
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